舞台『Equal』感想2 ステラ公演

今日も,舞台『Equal』行ってきました。2回目。


1回目の感想
3回目の感想



ルナver.を2回観て満足する予定だったのですが,当日券が結構出てるらしく,思わずステラ公演みてきました。
ええい,ここでケチってる場合ではない! という勢いです。はい。


以下、ネタバレ感想です。またまたざっくり。(あとで,感想を一つにまとめるかも)


日曜日のステラ公演みてきました。
役者さんのことはあまり知らないので,どれくらい違うのか全然予想してなかったのですが,



ステラ組は軽やか。その分ラストへの崩壊が怖い。
ルナ組は重厚気味。最初からイコール感あった。


どちらもよかったです。
細かい演出がちょっとずつ違ってました。



演技の場所が違ったり,動作が違ったり。
一番違うのは,ルナ組に「幽霊なんてこの世にいない〜」の歌があるところかな。






2回目なので,ネタバレ前提で観たわけですが,第一幕からしていろいろ伏線があったのですね。
「異端者狩りだ」「最近行方不明者が出てる」とあるけど,その行方不明な人間って,つまり,テオの実験材料だよね。
私は勝手に「ホムンクルスの生成には,埋葬された遺体を使ったのかな」と思ってたんですが,テオ,あなた……。





最初に観たあと,パンフレット読んで,何度か「友情」というキーワードがあったのに違和感がありました。
「これのどこが友情なのだろう?」と。
だって,ニコラはどこにもいない。そこにいるのは二人のテオ。
「自己愛」とも思わないけど,「友情」とも言えないのではないかと思ったのです。



でも,ネタバレを踏まえてもう一度みると,「ああ,これも友情なのか」と思えました。
ニコラはどこにもいない。
けれど,テオがトレースするニコラがいる。
ニコラの再現と,テオの再現。
とても複雑だけど,これも,友情,なのかな。




二人のテオに友情はあったのかというと,私にはよくわかりません。
あの二人の関係はなんだろう。
「イコール」なのかな。




でも,私は,ラストは「イコールではない」と思っているので,
ベタだけど,あの二人は「もう一人の自分」もしくは,「自分の知らない自分」と思えました。





そんなことを書いていて,ふと思い出しました。
私はゴスペラーズが大好きなのですが,その中の一人のメンバーがある演劇に曲提供をしていて(音楽監督もしてた?),作詞はおそらく別の作家さん。
そのサントラを,今もずっと聞いています。
なんか好きなのです。とくに主題歌が。
(そのころは地方住まいで,直接演劇は観ることはできなかった。だから延々サントラだけ好きでいるという不思議な状態^^;)



その中の主題歌は「カガミのない部屋で」という歌で,
その歌のストーリーとしては,
「カガミの中で,もう一人の〈私〉を見つける。
その〈私〉は,〈私とそっくりであり続けるという,永遠の罰をうけているような,あなた〉だった。
だから,二人でカガミを砕いた。
解放のために。救いのために。
……でも,現実に残ったのは,途方にくれた〈あなた〉だけだった。
これからは,誰とそっくりに生きていけばいいのか……と」


というもので,
ゴスペラーズブレイク前の、あまり知る人もいないサントラだと思うけど,今になってこの舞台にドンピシャな歌詞すぎて震えました。



この歌が私の下敷きにあるからか,ないからか,
私には,これも一つの「Equal」の答えに思えました。
いや,全然違う演劇のサントラなんですけどね!! 今更こんな最果てのブログで持ち出されても,困ると思うんだけど!!




でも,
「そっくりであり,そっくりでない」
「バラバラになろうとして,バラバラになれない」
「どちらが本物なのか,誰にもわからない」
とか,そういうものが散りばめられてるなあと……



そういえば,結末で生き残るのは,毎回変わるそう。
「手記を破ったテオ」が生き残る場合と,
「手記を書き続けたテオ」が生き残る場合と。
私が観たのは2回とも「手記を書き続けたテオ」でした。
もう1バージョンは観られるのだろうか(^^;


初めに観たときは,「〈死んだはずの,もう一人のテオ〉も,立ち上がったりしないのかな」とも思ってました。
結局それはなかったけれど,(それやっちゃうと,リリウムと同じっぽい演出になってしまうんだけど),
個人的には,二人のテオに,それぞれの道を歩んで欲しかったです。
そういう意味で,もう1バージョンも見てみたいものです。




そういえば,ストーリーの中で,いちばん苦しかったのは,
一幕のラストでした。
「ニコラ」のことを語るテオ。その背後には眠る「ニコラ」。
どんな気持ちで語ったのだろう。
どんな気持ちで聞いたのだろう。





明日は,私的ラストのEqualです。